知る~カンボジア:エイズの状況~

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知る ~カンボジア:エイズの状況~

カンボジアの平均寿命は男性54.2歳、女性61.1歳で、2007年には(1000人あたり)88人だった乳児死亡率は今年では18人までさがっています。ちなみに日本は1人です。
カンボジア王国では、1970年代から20年余り、激しい内戦と混乱の時代が続き、社会基盤が壊滅状態になりました。
ポルポト政権では、教育や教養が否定され、多くの教員や医師など知識階級が虐殺されました。そのため、医療・教育システムは壊滅的な状況になりました。この大規模な教育システムの破壊は、現在も教育復興の足かせとなっています。

母子保健を含む医療システムも崩壊しました。1991年に内戦が終結し、1992年より国連カンボジア暫定統治機構による平和維持活動が実施され、国際社会の支援により、妊産婦死亡率や乳児死亡率は改善に向かいましたが、それでもまだ周辺国と比べて、カンボジアの医療レベルは、指導者が慢性的に少ない為に低く、死亡率は高い状態にあります。地雷はいまだに全土に埋められており、年間400人以上の死傷者を出しています。地雷の撤去、被害者の支援など、いずれもいまだ終わっていない課題です。そして、現在のカンボジアの貧困の原因には、産業構造の問題があります。貧困層の市場へのアクセスが限られていること、医療・教育機会の欠如のため、貧困層が貧困から抜け出せないサイクルがあること、そして不公正な統治のあり方などが指摘されています。

世界的に、2009年から2011年にかけて(母子感染の)子供への抗HIV薬の予防投与により、40万9000人の子供が感染を免れ、新たにHIVに感染する子どもの数は減り続けています。
現在の子供のHIV治療のカバレージは28%、 UNAIDS(国連合同エイズ計画)のグローバルリポートによれば、(子供、成人あわせて)東アジア、東南アジアでHIV感染者は500万人,アフリカはその25倍。 しかし投薬により、HIVによって死亡する率は激減しています。

カンボジアのHIV感染率は減少傾向にあるものの、HIV感染者やその家族たちの状況は深刻です。近年の傾向としては、HIV感染者の割合が増加しているのは女性であり、夫から妻への感染が主な原因です。また、母から新生児への感染が全体の3分の1を占めています。 タッチインピースがタッチケアを行っているのは、主にこのような子ども達です。
人々のHIV/エイズに関する理解は乏しく、忌み嫌われるものとして、エイズ患者が社会的に差別されています。医療サービスを受けられない、仕事を続けられない、家族から見放される、死後も墓地への埋葬を拒否される、などの虐げられた状態で、HIVに感染した子供も例外ではなく、施設にやってくる子供の中には、食事を与えられず、痩せこけ、身体に沢山の虐待の傷跡が残っている子供もいます。
薬物使用時に注射器から感染するHIVの率も他の国々に比べて高いことがわかっています。カンボジアを含む多くのこうした国の公共のセクターはHIV対策への支出を優先事項としておらず、予算の90%以上が国外からのドナーの援助である為にプログラムが安定していないという問題があります。セックスワーカーにおけるHIV予防プログラムのカバレージというリストも存在しますが、カンボジアは報告のない国のリストの中に入っていました。

カンボジア憲法では、女性は男性と平等であり、地位・権利が保障されていますが、実際には 伝統的価値観や慣習により、 女性が男性と等しい社会的機会を受けることができていません。教育を受ける機会において女子の就学率は男子に比べて低く、男女の格差は高学年になるほど大きくなります。貧困家庭に生まれ、労働力として家族を支えることができる年齢の女子は、村で家族を支えるという伝統的な役割に加えて、出稼ぎに出て生計を支えることが家族から期待されます。教育を受けていない女子の働き口は、多くの場合が、縫製工場での労働か、売春なのです。トラックの荷台に何十人も女性が詰め込まれていくのが、朝の通勤の風景としてみられます。

 

私たちのカンボジアでの活動は、
在大阪カンボディア王国名誉領事館のご協力により実現しています。

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